ゼンマイ

ゼンマイ(Spring Motor)
DSC_0078.jpg
この写真はアンティークのシリンダーオルゴールで使用されているゼンマイの分解写真です。
奥に見えているギザギザはゼンマイの力をオルゴールのメカニズムに力を供給する為のギアです。
日本語では植物のゼンマイのようにクルクルと巻いていることから、ゼンマイと呼ばれていますが、英語などではバネ・モーターのように文字通り回転を伝える為の中心部品としての呼称が一般的です。
香箱の片面のカシメ止めされたプレートを外した状態なのですが、少しわかりにくいですが、古いグリスが固まっているのが見て取れます。このような状態ではバネの摩擦抵抗が大きくなりゼンマイの力が弱くなることがあります。古いグリスを除去、洗浄を施し、新しい潤滑剤を注入する事で本来の力を発揮することができます。
とはいえ、ゼンマイは金属部品ですので100年の間に巻き取り、開放を繰り返す事で金属疲労を起こし裂断を起こす事もあります。コレばかりはどうしようもないのですが、前記のように摩擦抵抗を減らす事で寿命を伸ばす事は可能です。
ゼンマイが切れるときには、切れる場所とタイミングにもよりますが、ドーンと大きな音がして、ゼンマイを巻いても空回りしているような状態になります。適切なバネ鋼を巻き直す事で修復する事は可能です。
現代のオルゴールはもちろんの事シートベルトや、掃除機のコード、テープメジャーの巻き戻り機能などゼンマイは現在でも身近なところで使用されています。100年以上前の機械に組み込まれている機能がいまでも身近に使用されているのは、とても面白いですね。
バネの基礎を紹介している書籍です。

プーラー

オルゴールや自動演奏楽器に関してたくさんお伝えしたい事はあれど、
なかなか、落ち着いて記事を書く時間をとれず、このページも更新が滞っています。
そこで、取りためている写真の中から、1枚をピックアップしてその写真に関するあれこれを紹介するコーナーを設けることにしました。
テーマは「1枚の写真」ということだけにして、色々な事を取り上げていきたいと思います。基本的にはオルゴールや自動演奏楽器の分解中にまつわる、話しになるかとは思います。自作オルゴールや、ご自分で修理をされたい方の参考になるかもしれません。
プーラー(puller)
puller.jpg
基本的にはその名の通り、「引っこ抜く」ための専用工具です。
車関係の修理をされている方は、なじみの工具だと思います。
オルゴールでも軸上に様々な部品が取り付けられている事が多く、それらの部品を無理に引き抜こうとすると、部品をいためるだけではなく、最悪の場合は軸を曲げてしまう事もあります。
赤い部分が工具の中心で、向かって右側にハンドルがあり、向かって左側の2つの爪状のもので、取り外したい部品を均等な力で引き抜くことができます。
写真の部品は(写真全体の向かって左側が部品です。)蓄音機のゼンマイの軸で、引き抜こうとしている部品はゼンマイ巻き戻り防止のラチェットギアです。
軸の頭を痛めないように真鍮のスペーサーを工具との間にいれ、右側のハンドルを時計回りに回すと少しづつ、安全にラチェットギアを引き抜く事が出来ます。
うまく伝わりましたでしょうか。なかなか言葉では説明が難しいですね。
プーラー1つをとっても写真の工具だけでなく、3本爪のものや、ベアリングを外す為のもの等たくさんの種類があるだけでなく、オルゴールの部品は小さなものが多い為、部品を引っ掛ける為の爪を薄く削ったものなど、その部品の特性にあわせたたくさんの種類を用意しています。
使用している工具はクッコというメーカーのプーラーですが、ギアプーラーと言う言葉をキーに調べるとたくさん情報が出てくると思います。
下のリンクでいろんな種類のプーラーを見る事が出来ます。
クッコ オフィシャルサイト

弊社でもこのセット使ってます。