レジナ社の歴史

米国の”Regina”社の歴史に関しての記載が1968年初版で現在では絶版の”The Musical Box Handbook”という本にあります。著者が米国の方のためかなり米国寄りの主観がかなり入っていますが、簡潔にレジナ社の歴史を表現されていますので、こちらでご案内させて頂きます。
日本では「レジナ」、又は「レジーナ」と表記される事が多いですが、弊社では「レジナ」と呼ぶ事が多いので文中でも「レジナ」を使用しています。

regina
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Graham WEBB
The Musical Box Handbook -Disc Box-
Vestal Press
pp.31~36

米国内だけでなく多くの国のオルゴールコレクターが、レジナ社のオルゴールの音色がもっとも良いと考えているのは間違いありません。その音色と共にシンプルなデザインを持つケース、さらにどんなコレクターもが持つ喜びを味わえるものであったため、近代の家に容易に溶け込んだのです。秀逸な音色はレジナ社によって完成され、ケース全体を響体とするデザインであった。シンプルなデザインは実際のところ、ヨーロッパの機種に多く採用されていたドイツ風の彫刻を施せる職人が少なかったためと思われる。また、当時の「アート&クラフト」運動によってポピュラーになりつつあった「線の優雅さ」を市場が求めていた事も影響しているであろう。どんな理由にせよ、現在でも心地よいデザインである事にかわりない。

レジナ社の歴史は1892年に、ポリフォンの共同創始者であるグスタフ・ブラッハウゼンが5人の職人と渡米したことから始まる。彼はニュージャージーのジャージー・シティに落ち着きレジナ・ミュージック・ボックス・カンパニーを設立する。ブラッハウゼンは当時、3つの有名なディスク・オルゴール会社に於て重要な人物となる。シンフォニオンではパウル・ロッホマンの監督役をつとめ、ポリフォンの共同創始者であり、そして米国で初のディスク・オルゴールを生産を行うレジナである。渡米した後1年ほど、ブラッハウゼンはポリフォンの「相棒」で共同特許権所有者でもある、パウル・リスナーのために米国における特許出願に時間を費やした。1894年の春にレジナ社は3人の株主(ブラッハウゼン、リスナー、そして後援者でもあるジョナス・J・コーナー)によって法人化された。その後急速にレジナ社は名声への階段を登り詰めた。

創業当初レジナ社はライプチッヒにあるポリフォン社からパーツ及びディスクを輸入しジャージー・シティの工場で組み立てる形をとっていた。しかし、時が経つにつれ徐々に機械のほとんどを米国で生産することになる。初期にポリフォン社からパーツやディスクを仕入れていたことが、15-1/2㌅(39.4cm)までのサイズのディスクは両社の機械で演奏することが出来るといったように機械的にも影響を与えた。共通ディスクが15-1/2㌅なのは大型のコイン・オペレーション仕様の機械は1895年以降に生産が始まったためという説が有力である。15-1/2㌅以下のディスクは両社の機械で使えるという事実にも例外はある。しかしそれは単に同様の機械を作っていなかったということに過ぎない。例えば11-1/4㌅(28.6cm)ポリフォンベル付きである。ちなみにこの機械のディスクは通常のベル無しの11-1/4㌅ポリフォンに於ても演奏出来ない。レジナ社は20-3/4㌅(52.7cm)と27㌅(68.6cm)のディスクを大型のアップライト型の機械に採用した。両サイズとも「2枚蓋」タイプの豪華なデザインの卓上モデルも存在するが、基本的にケースはシンプルなデザインのものが中心である。一般販売用や特別注文にも対応し様々な種類があった。

レジナ社は年々成長を続け、生産が最高潮であった時期には年商200万ドルに及ぶ年もあった。しかしそれも長くは続かず、新世紀の始まった1年目、全米に及ぶ不景気の後、1903年にはビクター・トーキング・マシン・カンパニーを始めとした大規模なグラモフォンの販売戦略により大打撃を受けた。レジナ社は1919年までオルゴールの生産を続けたが、1903年当時の後退から復興することはなかった。多くの製品の多様化が続けられ、まず1902年には手動の掃除機が開発される。1903年にはポリフォンからディスク・オーケストリオンの輸入を行い、そのディスクは32㌅にも及び両社が製造したディスクのなかで最大のものであった。このオーケストリオンはピアノ、チューブ・ベル、ドラム、そしてトライアングルを同時に演奏可能であった。これはオートチェンジャーであったため比較的良い販売成績であったと言われている。そしてもう一つのレジナ社の新商品はレジナフォンといい、悲しいかなグラモフォンとディスクオルゴールのコンビネーションであった。この奇妙な機械には様々なモデルが存在する。ポリフォンも同様のタイプの機械を生産していた。更に自動演奏の分野での挑戦は続き様々な自動演奏ピアノが開発された。その後レジナ社が生産していたか定かではないが、印刷機の販売も行なっていた。そして1922年ついにレジナ社は倒産に追い込まれたのである。1919年に最後のディスクオルゴールを生産完了し10万台以上をこの世に送りだした。現存しない会社ではあるが、そのように大量のオルゴールを生産した会社は世界にも類を見ないというのが、レジナ社の名声を築いた一因であったことは間違いない。

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いかがでしたか。
ヨーロッパのオルゴールで主流であったゴシック調の彫刻が出来る職人が多くいなかったという事は認めつつも、レジナ社が素晴らしい会社であったと褒めちぎってますね。
15 1/2″までのディスクオルゴールがポリフォン社のものと共通規格である事は不思議に思っておられる方も多いと思いますが、このような理由だったんですね。実はレジナというブランドは今でも残っていて米国のホームセンターではたまにレジナ・ブランドの掃除機を見かけることがあります。

あけましておめでとうございます。

2010newyear.jpg
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年はアンティークの修復・販売はもちろんの事、ギフトオルゴールの新商品の開発も予定しています。
春頃にはお知らせできると思いますので、新商品共々よろしくお願い致します。

日本ビクター社製オルゴール

職人(アルチザン)は、ときとして
芸術家(アーティスト)をこえる。
と、すごいキャッチコピーで始まりましたが、
これは日本ビクターから発売されていた
オルゴールのキャッチコピーです。
アンティークのディスクオルゴール用のリカットディスクのリストを
ホームページ上で閲覧してもらえるようにしていたのですが、
先日お伝えした通り、もっと見やすくするために変更を加えつつ
価格表記もほとんどのディスクで完了しました。
で、話しは戻りますが、そういえば現代のオルゴール用のディスクも
入手することが可能なので、同じページにリストを掲載しようと
資料を整理していました。すると日本ビクターから発売されていたオルゴールのカタログが出てきました。
そういえば10年位前にそんなオルゴールがあったなぁと、思い出しているとカタログには1996年2月とあったので、正確には12年前になるんですね。
コピーだったので白黒で少し見にくいですが写真も載せておきます。
RJ-3000
RJ-3000.jpg(写真をクリックで拡大)
当時発売されていた機種は
RJ-1000
RJ-3000
RJ-5000
の3機種。
RJ-1000はシリンダーオルゴールにアウトサイドホーンを搭載した機種。
RJ-3000は上の写真のようにディスクオルゴールにアウトサイドホーンを搭載した機種。
RJ-5000はアップライトのケースにディスクオルゴールの音をロードさせてホーンで中低音域を増幅させる機種。
蓄音機にルーツを持つビクターの意気込みが感じられるオルゴール達です。
このような「コラボ」企画はオルゴールが進化?できる可能性を感じさせてくれるので個人的には面白いなぁと思っていたのですが、残念ながら現在では販売していません。
こちらも見にくいですが、各機種の音の伝わり方についての説明です。
zumen.jpg
(写真をクリックで拡大)
カタログにも記載されていたのでご存知の方も多いかと思いますが、
このビクターのオルゴールにはスイスのリュージュ社のオルゴールのムーブメントが採用されていました。
シリンダーは3曲50弁
ディスクはAD-41という28.0cm(11″)のディスクを使用するムーブメントでした。
こちらのリュージュ製ディスクオルゴールも残念ながら生産終了していますので、現行のラインナップからは外れています。
でも、ラッキーなことに純正ディスクが入手可能なことがわかりました。
こちらからリストをリンクしていますので、ディスクを探していた方はチェックしてみてください。
リュージュ28.0cm(11″)ディスク曲目リスト
今回米国のポーター社のディスクもリストに加えましたので、
興味のある方はご一読下さい。
ポーター31.0cm(12 1/4″)
ポーター39.5cm (15 1/2″)
リュージュ11.4cm (4 1/2″)
リュージュ28.0cm (11″)
これで、取り扱い曲目が4622曲になりました。
同じディスクを使用する機種も各メーカー、サイズ毎にリストアップしてますので、正確にはもう少し少ないのですが、それを考慮しても実にたくさんの曲が聴く事ができますね。
これらのリストは全て一つのデータベースにまとめてありますので、いったいショパンの曲はどれだけあるの? とかAve Mariaはどのオルゴールで聴くことができるの など。
割と簡単にリストアップすることが可能になりましたので、
もっとマニアックなリクエストも受け付けてます!
メールはこちらまで(スパムメール対策のためリンクしてませんのでアドレスはコピーの後@を半角に変更してください)
電話でお問い合わせいただいても良いですよ。
support@enokiya.com
株式会社 榎屋
電話 072-727-7791
最後に、これはホームページにも書いていますが、
曲目リストは個人的に使用される分には印刷したり、どのように利用していただいても結構なのですが、ブログページに転載される場合や、商用で利用される場合はメールで結構ですので一言お声をかけてください。
よろしくお願いします。