レジナのガバナー

大阪では桜もちらほら咲き始め、今週末あたりはたくさんの人が
桜の木の下でほんのり桜色になってるんだろうなぁ。
と、記事には全く関係のない前置きから始まりましたが、
今回は米国のレジナ社のガバナーについて少し書いてみます。
ガバナーとは空気抵抗を利用してオルゴールの演奏速度を一定に保つための装置で、
シリンダーオルゴールなどの機械では羽根がくるくる回っているのが見える
あの部品です。
アンティークオルゴールには必ずついている装置なのですが、
ゼンマイが一気に開放しないようにする非常に大切な部品です。
細かい説明は話が長くなるのでこの辺でやめておきます。
このガバナーの調子が悪いとオルゴールがスタートしなかったり、
ストップのタイミングが遅れたり、何かのきっかけで
破損すると、一気にゼンマイが開放してしまったり、良いことがありません。
今回はその中でも今回はレジナのガバナーに多い事例を取り上げます。
ディスクオルゴールはベッドプレートの下側についているため
カバーなどで隠れている事が多くあまり目にする事もありません。
下の写真の様な部品です。

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上の写真から、羽根の部分を分解した写真。

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そうです。矢印の部分に気がつかれましたか?
ヒビが入っています。
この部品は真鍮製のリングを「カシメ止め」という止め方で、
オルゴールの演奏をストップさせる部品を止めているのですが、
100年近く経過しているので、経年劣化と部品にかかる応力の関係で
ヒビが入ってしまっています。
特に扱い方が悪いからヒビが入ったという部品ではありません。
100年間ご苦労様です。と行った感じでしょうか。
この機械の場合はまだ辛うじて機能していたのですが、
演奏をストップする際のタイミングが狂いがちでした。
羽根も同じようにカシメ止めされているのですが、羽根の止めが
甘くなると大変です。一定の速度で回らなくなるだけでなく
ゼンマイがすごい勢いで開放されてしまいます。
さて、この部品の修理方法なのですが、
ここからが本題ですね。
ホームセンターに行って部品を買って、取り付けましょう。
と行ったふうには、いきません。

まず、ガバナー部分を本体から分解します。
ウォームギアと呼ばれる螺旋状のギアを傷つけないように
慎重に破損部分を取り外します。
破損している部品を計測します。
このような部品は現在では普通に手に入れることができませんので、
真鍮材料を旋盤加工して同じサイズで部品を作り直します。
取り外したのとは逆の手順で慎重に他の部品を傷つけないように、修理部品をカシメ直します。

完成写真

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この場合はスペースに余裕があったので、厚みを少し増した部品を
製作しました。より強い部品になっています。
このように、小さな部品でも大事な役割を担う部品は
大きなトラブルになる前に修理、修復する事をお勧めします。
当工房で行っているオルゴール博物館でのメンテナンス作業内容のひとつに
このような部品を早期発見して、機械に大きなダメージを与えないように
する作業も含まれています。
もちろん、個人で所有されているオルゴールに対してもこのような作業を
行うことは可能です。
ここからは少し宣伝なのですが、榎屋で販売しているアンティークオルゴールを始め、蓄音機、自動演奏楽器はこのような問題が無いかどうか、点検し、問題がある場合は修理、修復作業を行ってから販売しています。
具体的にお探しの機種が無くても、このような楽器を探しているという方はお気軽にご相談ください。または修理、修復のご相談でも結構です。連絡先はホームページ又は下記しておきますのでご参照下さい。
メインのホームページのアドレスを下にリンクしていますが、
現時点ではアンティークオルゴールなどの販売商品のページがありません。
随時追加していく予定ですが、アンティークオルゴールが欲しくて、欲しくて
ホームページに掲載されるまで待てない!
と言う方は、お電話にてお問い合わせください。
では、あまり飲み過ぎないように、よい花見シーズンをお迎え下さい。
株式会社 榎屋

Enokiya Music Boxes

TEL 072-727-7791

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