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ゼンマイ(Spring Motor)

この写真はアンティークのシリンダーオルゴールで使用されているゼンマイの分解写真です。

奥に見えているギザギザはゼンマイの力をオルゴールのメカニズムに力を供給する為のギアです。

日本語では植物のゼンマイのようにクルクルと巻いていることから、ゼンマイと呼ばれていますが、英語などではバネ・モーターのように文字通り回転を伝える為の中心部品としての呼称が一般的です。

香箱の片面のカシメ止めされたプレートを外した状態なのですが、少しわかりにくいですが、古いグリスが固まっているのが見て取れます。このような状態ではバネの摩擦抵抗が大きくなりゼンマイの力が弱くなることがあります。古いグリスを除去、洗浄を施し、新しい潤滑剤を注入する事で本来の力を発揮することができます。

とはいえ、ゼンマイは金属部品ですので100年の間に巻き取り、開放を繰り返す事で金属疲労を起こし裂断を起こす事もあります。コレばかりはどうしようもないのですが、前記のように摩擦抵抗を減らす事で寿命を伸ばす事は可能です。

ゼンマイが切れるときには、切れる場所とタイミングにもよりますが、ドーンと大きな音がして、ゼンマイを巻いても空回りしているような状態になります。適切なバネ鋼を巻き直す事で修復する事は可能です。

現代のオルゴールはもちろんの事シートベルトや、掃除機のコード、テープメジャーの巻き戻り機能などゼンマイは現在でも身近なところで使用されています。100年以上前の機械に組み込まれている機能がいまでも身近に使用されているのは、とても面白いですね。

バネの基礎を紹介している書籍です。